ラブドールに慣れすぎた!

ベルドール東京PIPER DOLL JAPANの動画を作る生活が始まった。

私もマーチも、動画以外に担当している別の仕事がある。

なので、撮影は二人の時間をなんとか調整して行っていた。

私はそれ以外の時間も、動画を編集したり、ベルドール東京用の動画を作ったり、Twitterを更新、ブログの更新、動画の企画のための下調べ…

気づけばラブドールのことを考える時間が増えていた。

私が担当する仕事の多くががラブドール関係になったのだから、当然のことなのだろうけど。

 

YouTubeを始めて数ヶ月が経ったある日。

あれは確か、マーチと近くのショッピングモールに買い出しに行った時のことである。

昨日見たドラマの話やおいしいパン屋さんの話など、女子特有の脈略のなさでとりとめもなく盛り上がりながら、目的のものを探していた。

 

「あ。この服マリンに着せたいな~。」

通りかかった服屋さんの店頭でマーチが足を止める。

同じ職場のマーチとは、話題の中心がラブドール関係になるのも自然なことだった。

「でも下着姿のほうが、おっぱい揉んでるとこ見せやすいよね~。」

 

今思うと、私もマーチも感覚が麻痺していた。

冷静に考えると真っ昼間のショッピングモールで声高にする話題ではないのだが。

いつもの調子で盛り上がった私は、

「マリンのおっぱいやわらかくて最高!ずっと触ってたいよね~。」

そこそこ大きな声で、そんなことを口にしてハッと我に返った。

近くにいた親子連れが、怪訝な顔でこちらを見た気がしたが気のせいだろう。

そういうことにしておこう。

 

最初の記事でちらりと書いたが、私は元来下ネタが苦手だ。

「おっぱい」などという単語すら、恥ずかしくてほとんど口にしたことがなく。

それを指す時は「胸」という言い方をずっとしてきた。

 

それがどうだろう。

「タピオカもちもちしてて最高!おいしいよね~。」

と、同じくらいの感覚で

「マリンのおっぱいやわらかくて最高!ずっと触ってたいよね~。」

と、口にしていた自分に驚く。

 

それはマーチも同じだったみたいで、

「ちょっと感覚おかしくなってきてるよね…。」

と、二人して危機感を募らせ反省した。

ちなみにマーチも、元々下ネタは得意ではないし、平気な顔で「おっぱい」と言える性分でもない。

「ラブドールの弊害なのかな。」

恥ずかしがらずに「おっぱい」と口にできるようになったのは、大人として悪いことではないのだろうけど。

「タピオカ」と同じくらい平坦な感覚でいるのはまずい。

このままでは、また今回のようなTPOに反する言動をしてしまうのではないか。

無意識に周りの人を不快にさせるセクハラ女になってしまう…!

 

この「ショッピングモールの中心でおっぱいと叫ぶ事件」は、自分の中でかなりショックな出来事だった。

これまで日常的に下ネタを言ってくる人たちがあまり得意ではなかったし、TPOをわきまえてほしい、と倦厭していたのに。

気づけば自分がセクハラする側になっていた。

いや、今でもやっぱりセクハラまがいのことを言ってくる人は苦手だ。

でも自分も同じ穴のムジナなのでは…!?

セクハラ女に足を突っ込みかけてる事実に愕然とした。

 

あの時近くにいた親子連れには、申し訳ないことをしたと思ってる。

ごめんなさい。今後気をつけます。

 

失敗したら対策を。

と、いうことで「TPOをわきまえずおっぱいと言ってしまう問題」の対策を考えた。

幸いにして(?)、職場以外でラブドールの話をする機会はないし、私の日常生活でおっぱいの話題になることもほぼないので、職場の人と外で話す時に気をつければ大丈夫だろうか。

それなら機会は限られるから、なんとかなりそうな気がする。よかった。

あれ?そういえば、今月ベルドール東京で新年会をやるって言ってたな。

いきなり試練到来!?酔っぱらってる場合じゃないな!

 

文:見習い魔女っ子ジェシー