ラブドールと私
ラブドールという言葉は何となく知っていた。
何でだろう。
あぁ。そうだ。友人がカラオケで歌っていたボカロ曲のタイトルだ。
かっこいい曲だなって思ったのを覚えている。
ダッチワイフのことを今はラブドールって呼ぶらしいよ、と歌い終わった友人が言っていたような気がする。
中高と女子校で青春を謳歌し、そのせいかこの歳になっても猥談が苦手な私にとって、ラブドールの知識なんてその程度のものだった。
ましてや実際のラブドールを、見るよしはない。
出会うはずがなかった存在。
少なくとも1年前の私は想像していなかっただろう。
まさか自分が、ラブドールとYouTubeチャンネルをやることになろうとは。
このブログは、平凡な生活をしていた私が『YouTuber見習い魔女っ子ジェシー』として活動する、その裏の記録である。
どこまで書いていいのか正直よくわからないので、記事が消えていたら察していただきたい。
先にも述べたように、私は現在、PIPER DOLL JAPAN(パイパードールジャパン)の公式YouTubeチャンネルに、見習い魔女っ子ジェシーというキャラクターとして出演しつつ、チャンネルの運用をしている。
百聞は一見に如かず。
よかったらちょっと見てみてほしい。
動画中、金髪で顔のわからない怪しげな魔女がいたら、十中八九それが私だ。
どうぞ以後、お見知りおきを。
チャンネルの目的は、パイパードールの魅力を広く伝えること。
ある種、広報的な役割を担っているのだろうが…
ラブドールについてまだまだ勉強中の私にとっては、いささか荷が重いのが本音だ。
そう。このパイパーチャンネルにおいて、もう一人紹介しないといけない重要な人物がいる。
私と一緒に動画に出演していた、見習い魔女っ子のマーチだ。
素顔こそわからないものの、きっとかわいいんだろうな、と思わせる、茶髪の魔女がそうである。
そして、まさしく彼女こそ、図らずも私をこの世界に引き入れた張本人である。
もっとも、その時は誰もこうなることなど予期しておらず、彼女も意図して引き入れたわけではないのだけれど。
一緒に出演していた、という書き方をした。
動画を最初のほうから見てくださっている方は、最近、正確には10月2週目辺りからの動画に違和感を覚えているのではなかろうか。
なんでマーチがいないんだろう、と。
実は…
見習い魔女っ子のマーチは晴れて立派な魔女と認められ、魔法の世界に帰って行ってしまった。
というのが、「見習い魔女っ子」という設定から私が絞り出した、マーチ退場の筋書きである。
でも、事情を知っている者としてはあまりに白々しくつまらないものに思えてしまい、口にするのをためらってしまった。
また、今後どのようなスタンスで動画を作っていくのか、上からの指示もなく、私自身どうしたものか決めあぐね、なかなかその事実に触れられずにいた。
何より。彼女が突然いなくなってしまったことに、私自身気持ちの整理がつかずにいた。
彼女が好きだったマリンをマーチに見立てて動画を進行するという奇行も、混乱した気持ちや、先の見えない不安、一人になってしまった孤独感を静めるためだったのだと、少し冷静になった今なら思える。
先日YouTubeチャンネルでも、彼女の不在についてお話しした。
皆さんがどう受け取ったかは分からないが、あれがあの時できる私の精一杯の誠意だ。
マーチを楽しみにしていた方々、ごめんなさい。
私が不慣れなYouTube活動の話を引き受けたのも、ラブドールの知識がないなりに前向きに続けてきたのも、彼女の存在があったからだ。
本当に今までありがとう。お疲れ様。
…と、ここまで読み返してみて気づいたが、なんだか彼女に不幸があったような文章になってしまった。
誤解を招くような文章で申し訳ない。
彼女は今も元気でやっています。
お給料入ったらパスタでも食べに行こうか、なんてこないだ話したくらいで。
初回の記事ということで、簡単な自己紹介をするつもりだったのに、気づけばマーチの話になってしまった。
この文章のまとまりのなさが、そのまま私の自己紹介なのかもしれない。
文:見習い魔女っ子ジェシー